感染性心内膜炎闘病記とその後の生活

感染性心内膜炎により大動脈弁の機械弁置換と僧坊弁の形成術を受けました。術後12日目に左硬膜下の出血が起こりし言葉が出なくなりました。直後に回復しましたがどうも舌の回りがわるくなりました。その後の愛犬との平穏な生活の記録です。

術後25か月目 体力の限界

2022/4/16(土)
4月10日三春滝桜田村神社

心臓の手術を受けて丸2年が経過した。

自分の体力がどれくらい回復しているのか?
限界はどのあたりか?

を、一度確認してみたくなり、滞在先のホテルでママチャリを借りて、小旅行にでた。

桜好きなら誰でも知っている福島県三春町の「三春の滝桜」まで片道約24km。3時間の行程。

須賀川市のホテルを出て、阿武隈川に架かる橋を渡り、ひたすらペダルを漕ぐ。

福島県浜通り中通り会津地方と山脈と盆地が連なる山がちの地形。

ママチャリでの小旅行は想像以上の大旅行だった。

途中、あちこちに桜が咲き誇る神社仏閣や河川敷き堤防の桜並木に春を感じる。

途中、田村神社の鳥居前から参道に連なる桜並木は素晴らしかった。

絵に描いたようような枝垂れ桜が満開し、時折吹く春風に花びらが舞う。

参道には散った桜が白い絨毯のよう。

福島県には枝垂れ桜が多い。
春の日和も相まって、最高の小旅行である。

アップダウンはあるが、こなせない感じではない。

しかし、三春町に入ると完全な山道になった。
車なら少し傾きを感じる程度。

だんだんと傾きも強くなり、アクセルを踏み込み左に三春湖を望む心地よいワインディングロード。

ママチャリで来るところではない。

久しぶりに立ち漕ぎをした。

チェーン切れそう。
フレーム折れそう。
スポーク折れそう。

何より死にそう。


3時間かけて三春の滝桜に到着。

すごい人。

一番高い場所に登り、三春の滝桜を真ん中に盆地の景色を見た。

よく頑張った。
息が上がって大変だった。



さて、帰らなければならない。
滞在時間30分。休憩時間5分。



帰りは下り坂が多い。
ただ、登りもたくさんある。

下っては登り、下っては登る。
下り坂の爽快さは格別だが、登りは地獄だ。

疲労困憊して、もう立ち漕ぎも出来ない。
ママチャリから降りて、鉄の塊のようになったママチャリを押して一歩一歩刻むように登る。

それでも胸の鼓動が張り裂けそう。
大丈夫かな?限界超えてるかな?でも帰らないわけにはいかない。

くだりの次の登り坂が来るたびに、どんどん大変になり、須賀川の盆地が見えたときには、ほとんど意識が飛んでいた。

かなり無茶したな。と反省。

でも、どこまで頑張れるか、限界はどこか、が少しわかった気がする。

ここまでは大丈夫。
とにかくママチャリで往復できた。

近く会社に診断書を提出することにしている。

「今は安定しており、通常に働いても大丈夫。」という主旨のコメントを頂いて。

日常の生活は問題なく過ごすことができる。
仕事をして大変な状態になった時、どこまで踏ん張れるのかを知っておきたかった。

すごく貴重な1日になった。

その夜は口も聞くのが嫌になるくらい疲れてしまった。 

体力の限界だった。